このネーム添削例の解説
<作品例>
今から戦いが始まるということがわかりやすいですし、主人公よりも敵の方が、大きくて強そうというのも迫力があって良いです。しかしカメラアングルが全て真正面からなので、迫力と面白みが弱くなっています。
<プロが描いたネーム例>
男性は真正面から見たものよりも、「三次元」「遠近感」「立体感」に面白みを感じる脳感覚をもっています。ですから人気漫画のほとんどは、それらを感じる演出がされています。1コマ目は敵から見た視点で描かれているので、上から主人公を見下ろしています。2コマ目は下からあおって描くことで、敵の迫力を増しています。3コマ目も主人公は上から、敵は下からのカメラアングルにすることにより、主人公の不利感と、敵の強靭さを演出しています。こう描くことで「この戦い、主人公は勝てるのか?」というハラハラドキドキ感を演出し、読者が次のページをめくりたくなる仕掛けとしています。1〜2コマ目で観客を描いていることも注目するべきポイントです。男性は「社会性」というものを大事にする感覚があるので、背景が真っ白で、うしろに誰もいないとリアリティを感じてくれません。つまり「面白くない」と思われてしまいます。大勢の観客が見守る中で戦うので、男性読者は「面白い」と思ってくれるのです。プロはそういった読者の心理を計算して描いています。
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